|
《杜詩詳注》唐・杜甫著 清・仇兆鰲注 中華書局出版
全五冊 二十五卷
杜甫全詩訳注(数十名の研究者による共同作業)その杜甫
の詩は難解であり、注釈なしでは読めないほどに典故を多
用したものが多く、味読(みどく)するには、一般読者は
もとより、研究者であっても訳注が必須である。しかし杜
甫全詩の訳注は、日本では鈴木虎雄「杜少陵詩集」(1928
-31年)の一書があるだけだった。鈴木以後、吉川幸次郎
氏が全訳を志したが道半ばで逝去。目加田誠氏も宿願であ
ったが断念している。
杜甫詩の標準的な解釈
清・仇兆鰲(きゅうちょうごう)『杜詩詳注』康熙四十二
年・1703初刻。略称「詳注」を底本とし、訳注はこれに準
拠する。(下定、同書、まえがき)
詳注は宋代以降のテキスト校勘・伝記研究の成果を吸収し
てテキストとして信頼性が高く、杜甫詩の標準的な解釈と
して今日なお安定した評価を得ている。
歴代の有力な異説や近年の杜甫研究の成果は、【語釈】あ
るいは【補説】の中で紹介し、訳注には杜甫研究の最新の
成果を反映した。なおその場合も、書き下し文と現代語訳
は詳注の解釈に従った。
杜甫詩の本文は、原則として活版本杜甫詳注(中華書局)
に拠る。
鈴木虎雄の訳注は詳注を底本とするので、杜甫詩の排列は
詳注と一致する。
|
杜詩詳注全五冊
|